あいさつができない

  • あいさつをすることの意味
    悪いことをしていることがわかっているのに「ごめんなさい」といえない、物をもらっても「ありがとう」といえない・・・。こういう悩みを持つお母さんは少なくないと思います。ただ、無理に謝らせたり感謝させたりするのは避けた方がいいことだとも思います。あいさつの意味は、相手に伝える自分の気持ちなのですから、子どもが表面上、取りつくろうような行動を取らせるのは、決していいことではないと思われるからです。お母さんやお父さんが、謝ったり、感謝したりする行動をお子さんの前でしていれば、子どもは必ずその意味を理解して、あいさつができるようになると思います。順応性が高いのが子どもです。あせらず、見本を見せてあげることを心がけましょう。
  • 基本は親の態度
    親として必ず覚えておく必要があるのは、親の行動をコピーするのが子どもの特性だということでしょう。ある程度の年齢になったら、「どうもありがとう」「ごめんなさい」などは必ずいえるようになります。ただ、親が心をこめていっていない、礼儀としていっているだけ、という場合が多いときには、子どもは必ずその微妙なニュアンスを自分に取り込んで、おなじようなあいさつをします。つまり、見本としての自分が、相手に誠意を見せることを心がけなくてはいけないのではないでしょうか。その上で、お子さんと「どんなときに謝るべきなのか」「どんなときはありがとうといった方がいい」という話し合いができれば、より理解が深まると思います。少なくとも4〜5歳になれば、成長に伴って自覚もめばえ、礼儀をわきまえるようになってくるでしょう。言葉の通じない外国の人と話をしても、感謝の気持ちや謝罪の感情は伝わってきます。気持ちを伝え合うのは形式でもルールでもなく、相手に伝えようとする真心で決まるのではないでしょうか。
  • Q1:満3歳になる女の子ですが、悪いことをしたとわかっていても謝ることができません。どう指導したらいいでしょうか?
    • 悪いことをしたとわかっているのであれば、大丈夫です。謝ることができないのは、自分の感情をうまく表現できないでいるのですから、お母さんがお子さまの気持ちになって一緒に表現してみてください。お子様は、「ごめんなさい」と頭を下げるようになると思います。形よりは、心の中が大切なので、悪かったと気づいているお子さまの気持ちを大切にしてください。
    • A:子育てママの答え
      • 3歳って微妙な年頃ですよね。悪いことをしたとわかっているようないないような、なぜ「ごめんなさい」をいわなきゃいけないのかわかっているようないないような、そんな時期だから、素直に謝れなくても当然のことだと思っています。まだまだ3歳。礼儀や挨拶はこれから少しずつ教えていけばいいんじゃないかな。
  • Q2:「お礼をいいなさい」といっても、ありがとうがいえません。(4歳女子)
    • 「お礼をいいなさい」と命令するお母さんに、ちょっと反発しているのではないですか。「ありがとう」と心の中でいっぱいいっているのに、うまく表現できずにいるのではないでしょうか。口でいえなくても、まなざしや態度で伝わります。お母さんは、小さい頃どうでしたか。お父さんはどうだったでしょうか。小さい頃の性格は、親に似るものです。
    • A:子育てママの答え
      • 何かもらったとき、してもらったときは「よかったね。うれしいね」と、まず気持ちを確認してみては?それでうなずくなり「うん」と返事をしたら、すかさず「そういうときは何ていうんだっけ?」「ありがとうっていうんだよね」と段階を踏んで認識させると子どもにもわかりやすいと思います。“お礼”自体の概念はまだないでしょうからねえ…。
  • Q3:一応、謝ったり、お礼をいったりすることはできますが、気持ちを込めることができません。(5歳男子)
    • 「謝るときに気持ちをこめる」ということは、子どもがそのことがなぜいけないことか、よく理解できていないとできません。「ありがとう」というときも同じです。気持ちがないと自分の感情が動きませんので、お礼をきちんと表現できません。この年齢では、形より心です。家庭の中で、お母さんが「ありがとう」「ごめんなさい」と心を込めていえているかが問題です。その態度を見て、子どもは学習します。
    • A:子育てママの答え
      • 照れているだけじゃないでしょうか。というか、気持ちがこもってないように聞こえているのは親だけだったりして。「ごめんね」「ありがとう」がいえればそれだけでとりあえずはラッキーじゃないかなあ。「ごめんなさいは!?」「ありがとうは!?」と促していわせないことだと思います。状況に応じて「わあ、うれしい!」とか「痛かったねえ」「怖かったねえ」とか、気持ちを言葉に置き換えていってみせてあげるのもいいのでは。